伝法灌頂(非公開)・伝法大会
総本山智積院は、真言宗智山派の檀信徒すべての総菩提所・総祈願所であるとともに、
真言宗智山派の僧侶が修行を積み研鑚を重ねる道場でもあります。僧侶になるためには、
厳密に定められた行位(修行の階梯)を積まなければなりません。その行位の中で、
最も重要で真言宗の奥義を伝え授かるための法会が、
伝法大会(でんぽうだいえ)と伝法灌頂(でんぽうかんじょう)です。
寒さ厳しい早春、総本山に全国から多くの僧侶が集まり、この法会が開かれます。
伝法大会は、化主猊下のご晋山(代替わり)や特別な慶事を記念して行われます。問答形式で真言宗の教義について、修行僧の理解度や解釈の度合いをはかるための法会です。この法会では、上席の僧から経典の解釈についての問題が出され、答える僧を竪者(りっしゃ)、答えを評価する僧を精義者(せいぎしゃ)と呼ぶことから「竪義」(りゅうぎ)とも称されます。
伝法灌頂は、毎年3月初めに行われています。この法会は、真言宗1200年の伝統の中で受け継がれてきた秘法を伝え、受け継ぐための儀式です。この法会で、秘法を伝えた側の僧侶は伝燈大阿闍梨(でんとうだいあじゃり)となり、授かった側の僧侶は真言宗智山派の教義を伝播するに相応しい僧侶として認められます。
伝法大会は、教義に関する問答ですので、檀信徒・一般の方でも参拝して臨席できます。
伝法灌頂は、秘儀の授受ですので、公開しておりません。