智山派の活動

わたしたちの目標

真言宗智山派では、弘法大師・空海の教えにふれ、信仰心を育み、深めていくための道しるべとして「生きる力―仏さまに祈り、仏さまと出会う」という目標をかかげ、仏道の実践を呼びかけています。わたしたちの心を込めた祈りと、仏さまの皆を救うという願いがひとつとなって、仏さまに祈るたびに仏さまと出会い、仏さまに見守られ、仏さまの生きる力を感じながら生きる。それがわたしたちの目標とする「生きる力―仏さまに祈り、仏さまと出会う」です。

智山派関連団体の紹介

智山派宗内組織・機関

真言宗智山派は宗務庁を総本山智積院境内に、宗務出張所を東京港区の真福寺に置き、宗教法人における包括団体としての真言宗智山派の実務を行っております。 真言密教法脈の護持、智山教学研究、教化活動の発展と支援のためにそれぞれ智山講伝所、智山伝法院、智山教化センターが宗内機関として設置されています。また、智山派の御詠歌として密厳流遍照講があります。

智山講伝所

智山講伝所は、本宗に伝わる事相を護持するとともに、総本山智積院化主猊下の意を体して、事相全般を研鑚し、僧侶及び教師に伝授指南し、相伝するために、総本山智積院内に設置されている機関です。 講伝する内容につきましては、以下の通りです。 1. 智山の相承する報恩院流、中性院流の伝統護持並びにこれらの法流の聖教の整理 2. 智山相伝の悉曇、声明、法式等の伝授、指南並びに修練 3. 本宗僧侶の履修すべき行位の伝授、並びに指導 4. 事相を特に研修しようとする僧侶及び教師への伝授、指南、指導、助言 その他事相全般の研鑚、指導 上記内容遂行する為に、現在講伝所には、飯沢秀三上座阿闍梨を中心に参与1名、阿闍梨4名、所員10名、専門員5名が在籍してます。

智山派外郭団体

真言宗智山派では弘法大師のみ教えを護り広めるために、また社会をより良くする為にさまざまな活動をしています。智山派の僧侶を中心として団体を構成し日々研鑚し、活躍しています。以下に活動団体のいくつかをご紹介します。

智山勧学会

智山勧学会は、仏教学ならびにその関連諸分野における研究の発展に寄与し、将来に向けた研究者人材の育成をする学術研究団体です。 大正3年(1914)私立大学智山勧学院内に、智山勧学会の前身となる智山興風会が結成されました。以降、智山興風会から智山学会、そして、智山勧学会と名称は変わってきましたが、その活動の中心は、結成当時も今も若い学究者たちです。 なかでも、年一度の研究発表の場である智山教学大会は、宗内若手研究者を中心に、宗外からも学究者が参加する学術大会です。 また、智山勧学会の主催で通年開催されている、仏教学の研究会・勉強会である智心会や仏教思想研究会は、将来の智山派を担う若い研究者たちの日々の研鑽の場です。 智山勧学会は、以上のような活動を通じて、智山教学の振興、そして本宗の興隆を目指しています。 お問い合わせは智山勧学会事務局(別院真福寺内)まで。 ※智山勧学会が発行する『智山学報』掲載の論文は、国立研究開発法人科学技術振興機構の電子ジャーナル出版プラットフォーム(J-Stage)で閲覧・ダウンロードすることができます。

智山青年連合会

智山青年連合会

智山青年連合会は、昭和33年1月19日に結成されました『智山青年会』がその始まりです。 その後、昭和37年に全国単一組織であったものを、全国各地区の青年会を単位とする連合体へと変更致しました。 現在、当連合会には全国約60地区青年会が属し、会員数約900名を有しております。 全国の青年僧侶、所謂菩提寺の青年僧侶の方々がここに属しているわけであります。 日ごろの活動は、各地区青年会が活動の拠点となり、勉強会や研修会を開き研鑚活動、情報交換が行われ、地域に根ざした活動が中心となっています。 智山青年連合会としての活動は、先ず、全国結集(けつじゅう)の開催。 これは全国の青年僧侶を一堂に会して行われ、研修、情報交換の場となっております。 更に、連合会と会員そして会員相互の情報交換の媒体として、昭和52年以来機関誌『智青』を発行し、現在は年4回の発刊をしております。 その他、総本山 智積院での法要出仕、教化用ポスターの作成や、近年では災害時の募金活動、有志によるボランティア活動の呼びかけ等を行っております。 我々青年僧侶は、青年会活動を通して真言宗布教の為に、互いに日々研鑚を続けております。

智山保護司連盟

保護司は法務大臣から委嘱を受けた非常勤の国家公務員であり、犯罪や非行をした人の立ち直りを地域の中で支える「更生保護」活動を行っています。 本連盟は、真言宗智山派に所属する教師・寺族の保護司と保護司経験者によって組織され、会員相互の研修・親睦をはかり、明るい社会の建設に寄与することを目的としています。 昭和39年に結成され、現在会員数は約140名です。 法務省や刑務所・少年院など更生保護関連施設の視察研修を毎年行っており、5年に一度、総本山智積院や別院真福寺において、会員の意識高揚をはかるため、大会を開催しています。

智山民生委員・児童委員連盟

智山民生委員・児童委員連盟は、地域の福祉と健全育成に尽力されておられる民生委員・児童委員の方々によって、昭和56年に組織され、研修活動を行ってまいりました。 その後、本連盟は、諸般の事情により平成17年度より22年度まで、事実上の休会状態となっておりましたが、平成22年11月に民生委員・児童委員の一斉改選が行われるのを機に、会の活動を再開したいとの有志の方々のお申し出があり、活動を再開いたしました。 智山民生委員・児童委員連盟は、本宗教師ならびに寺庭婦人(寺族)の民生委員・児童委員の方々を会員とし、親睦を深め、研修・情報交換を行い、会員相互の資質向上を目的としております。詳しくは下記事務局までご連絡下さい。 智山民生委員・児童委員連盟 事務局 〒105-0002 東京都港区愛宕1-3-8 別院真福寺内 電話 03-3431-1081 FAX 03-3431-0203

平和を祈る智山協会

第40回 沖縄での戦跡慰霊法要

平和を祈る智山協会は、総本山智積院における戦没者慰霊法要への出仕、また、海外戦跡慰霊巡拝等を通し、すべての戦争犠牲者の増進仏果と悠久なる世界平和を祈念する団体です。 特に毎年実施している海外戦跡慰霊巡拝は、平和を祈る智山協会の前身である「智山大東会」(昭和50年~平成6年)がグアム・サイパンにおいて慰霊法要を開催して以降、現在に至るまで、今年で44回を数えます。 その他、海外現地の小学校への物品寄贈等、様々な支援活動も積極的に行っています。 平和を祈る智山協会では、今後も世界恒久平和を願い、慰霊法要に止まらず、世界的視野に立った平和、平等、自由のための活動を目指していきます。

過去10年の海外戦跡慰霊巡拝地
  • 第36回 平成22年2月12日 パラオ(コロール・アンガウル島)
  • 第37回 平成23年2月12日 マレーシア(ラブアン・コタキナバル)
  • 第38回 平成24年2月26日 ミャンマー(ヤンゴン・バガン・バゴー)
  • 第39回 平成24年11月26日 フィリピン(マニラ・レイテ島)
  • 第40回 平成25年12月2日 沖縄
  • 第41回 平成26年11月2日 チューク(トラック)
  • 第42回 平成27年11月27日 西武ニューギニア
  • 第43回 平成29年2月7日 インパール・コヒマ
  • 第44回 平成29年12月4日 鹿児島 鹿屋・知覧
  • 第45回 平成31年2月4日 ミャンマー カレワ・テディム街道戦跡慰霊法要
  • 第46回 令和元年11月18日 グアム・サイパン戦跡慰霊法要

智山雅楽会

智山派雅楽会

智山雅楽会は昭和61年、数名の有志が現在ご指導頂いている元宮内庁式部職楽部東儀季一郎先生に師事し、稽古を始めたことに端を発します。 そして昭和63年10月、昭和初期に活動されていた「智山雅楽会」の名称を継承し、正式に会を発足いたしました。 現在、会員は16名で別院真福寺で稽古をしています。 もともと仏教と雅楽は密接な繋がりあり、古来から大寺院での諸行事ではしばしば雅楽が演奏されてきました。 わが真言宗でも「大曼荼羅供」をはじめとする多くの大法要では、奏楽が行われてます。 これらのことから、雅楽の研鑽は法式や声明を習得する上で極めて意義のあることと考えています。 それゆえ、諸寺院での法要への出仕はもとより、多くの方々に雅楽に接して頂こうと、定期的な演奏会や小中学校等での訪問演奏等を行うなど、普及にも努めています。

智山教誨師連盟

教誨とは字義的には教え諭すことであり、全国の刑務所、拘置所、少年院等の被収容者に対し、各教宗派の教義に基づき、徳性や社会性の涵養を図り、健全な人格の形成に寄与する作用が宗教教誨です。 これらの活動を矯正施設からの要請を受け、ボランティアとして行っている民間の宗教家が教誨師です。 国の施設である刑務所、拘置所、少年院等の職員は、憲法上の制約により被収容者の欲求に対応できないことから、民間の篤志宗教家である教誨師が、彼らの宗教的欲求に応えかつ、改善更生を促し社会復帰を図ることを目的に各教宗派の教義に基づき、改過遷善等の面接指導を行い、矯正教育の一翼を担う活動をしております。 本連盟は真言宗智山派に所属する教師の教誨師によって組織され、教誨事業の向上発展を期し、会員相互の研修、親睦を図ることを目的として設立されました。 現在の会員数は約50名で、年に1回、智山篤志面接委員会との合同で、全国各地の刑務所等にて研修、総会を開催しております。

智山篤志面接委員会

篤志面接委員とは法務省から委嘱を受け、全国の矯正施設に収容されている受刑者に対して、面接や指導、教育を行い、改善厚生と社会復帰を手助けする民間ボランティアです。 智山篤志面接委員会は、真言宗智山派に所属する教師の篤志面接委員を以って組織されております。 平成7年11月に設立され、現在の会員数は13名です。 篤志面接活動の向上発展を期し、会員相互の研修、親睦を図ることを目的としております。 会員全員が教誨師でもあることから、智山教誨師連盟との合同で、年に1回、全国各地の刑務所等にて研修、総会を開催しております

智山尼僧の会

智山尼僧の会は、常に互いを認め合い、学びあい、支え合う相互礼拝、相互供養の精神を旨として活動しています。その精神は世の中を安穏へと導く慈悲行として努めるものです。 当会はそのために月例勉強会を別院真福寺で開催しています。勉強会の内容は教相・事相・教化全般に及び、「6級昇補に必要な単位」も取得できます。月例勉強会以外にも会員寺院における行事への参画など視野を広める経験も積んでいます。 仏教の心得から始まり、有益な寺院活動テーマなど幅広く学べます。 既に尼僧以外にも一般教師や寺庭婦人の皆様もご参加いただいております。ぜひ多くの方と共に活動したいと願っています。心よりご参加をお待ちしております。 ・正会員は智山派の尼僧で教師資格を有する方 ・賛助会員は一般教師、法人、寺庭婦人の方 ◎お問い合わせは事務局まで 〒330-0055 埼玉県さいたま市浦和区東高砂町19-4 大松院中 小林智観 TEL 090-4915-6848 FAX 048-882-9228

智山保育連合会

智山保育連合会は、真言宗智山派寺院関係の幼稚園、保育園、児童養護施設などが加盟する連合会です。 智山保育関係者の研修及び親睦をはかり、仏教における幼児教育に寄与することを目的とし、昭和36年の結成以来、仏教精神に基づく保育、教育の実践を目指して活動しております。 平成24年には結成50周年を迎え、現在は47の加盟園で組織しております。 毎年夏には加盟園の施設長・教職員を対象に一泊二日の研修会「智山保育大会」を開催し、毎回100名前後の参加者を集めております。 その他、「園長設置者研修会」「施設訪問研修会」などを開催しております。また、真言宗の各派付属の団体で組織する「真言宗保育合同園長設置者研修会」などの研修会に参画しております。そして、年1回「智山保育連合会会報」を発行するなど、幅広い活動をおこなっております。