1 展示テーマ「智積院のいのり」
今も昔も近しい人の死、自然災害や紛争など、心に不安や叶えたいことが生じたとき、人々は冥福や平穏、増益、功徳などが得られることを願い「いのり」を奉げてきました。その対象は山や海など自然そのもの、彫刻や鋳造、絵などに描かれた仏神、そして心のうちにやどる仏神に対してなどさまざまです。また寺院では僧侶によって人々の願いを祈祷する修法が行われています。
智積院の歴史をたどると、前身となる祥雲寺は、豊臣秀吉が幼くして亡くなった我が子の鶴松の冥福を祈って建立した寺院でした。また洛東に智積院が再興して以来、現在でも境内の各所、諸堂などでは僧侶により回向や祈祷が行われています。智積院の諸堂で祀られてきた仏さま、密教の祈祷で修法に必要な法具、また祈祷の修法を行う真言密教において重要な儀式である灌頂の際に、道場を荘厳するために懸ける祖師像などを通して「いのり」の心に触れていただければ幸いです。
2 展示期間
(1) 通 年 展示 令和7年5月1日~令和8年4月29日
(2) A群資料 展示 令和7年5月1日~7月30日、11月1日~令和8年1月30日
(3) B群資料 展示 令和7年8月1日~10月30日、令和8年2月1日~4月29日
※ A群資料とB群資料を交互に展示
※ 展示替え休館日
令和7年4月30日、7月31日、10月31日、令和8年1月31日(月日は毎年固定)
※ その他休館日
5月12日(日本国宝展に出陳した桜図返却のため。令和7年度のみ)、
12月29~31日(年末 拝観休止日。毎年固定。名勝庭園も拝観休止)
(1) 通年
「釈迦如来坐像」鎌倉時代 十三世紀
「水天供鉢」江戸時代
「水天供鉢」清時代(中国)
(2) A群資料
「仁王般若経(旧訳)」江戸時代
「念珠(本装束)」江戸時代
「八祖像(龍猛、龍智、金剛智、不空)」元文2年(1737)
「五大虚空蔵尊像」年代不明
(3) B群資料
「仁王般若経(新訳)」江戸時代
「念珠(半装束)」江戸時代
「八祖像(善無畏、一行、恵果、空海)」元文2年(1737)
「仁王会曼荼羅」江戸時代