2016年 2月:普通救命講習を受講する~目の前の命を救うために~

こんにちは。災害対策室です。今回は救命講習のお話です。

 皆さんは外出した時に、駅やショッピングモールなどで、AEDAutomated External Defibrillato:自動体外式除細動器)を見かけたことはありますか?最近の公共施設には必ずと言ってもいいほど設置してありますね。しかしそれを、いつどうやって使えばいいのかよくわからないという人は多いのではないでしょうか。

 AEDは、心室細動と呼ばれる不整脈(心臓のけいれん)によってポンプとして動かなくなってしまった心臓に、電気ショック(除細動)を与え、元の動きを取り戻させるための機器です。心停止した傷病者への応急手当は、胸骨圧迫(心臓マッサージ)を行い、AEDによって電気ショック(除細動)を与えるという流れですが、皆さんは急病人や、事故または災害等が発生した時に、目の前で人が倒れて、意識がない!その時的確に応急手当ができますか?救急隊が現場に到着するまでの間、その現場に居合わせた人により応急手当が速やかに行われることにより、傷病者の命を救える可能性が高くなります。「動かさない方がいい」「どうしたらよいかわからない」などと言った理由から、傷病者に対して適切な応急手当がなされず、救命のチャンスを逸してしまうことも少なくありません。そのようなことが起きないように、応急手当に関する正しい知識と技術を身につけるために、救命講習が開催されています。

 普通救命講習は、呼吸や心臓が止まったときに必要な「心肺蘇生法」と「AED(自動体外式除細動器)の使い方」を学ぶための講習です。講習時間は3時間程度で、応急処置の講義から始まり、その後119番通報とAEDの要請のシミュレーション、胸骨圧迫(心臓マッサージ)の練習、AEDの使用の実習を行います。講習は消防署や公民館などで行っており、最近は市政だよりに救命講習のお知らせ・受講者募集などが掲載されている場合もあります。詳しくはお住まいの区や市町村のHP等をご覧ください。

 総本山智積院と別院真福寺はAEDを設置しており、職員は普通救命講習を受講しております。私も受講しましたが、講義を聞いて理解したつもりでいても、いざ実習に入ると焦ってしまい、うまく処置ができませんでした。やはりこういうことは知識だけでなく、実際に自らの体を動かして処置を行い、経験することで初めて技術を学べるのだな、と実感しました。ガイドラインが更新されるため、2年に1度受講することが推奨されているので、私もそろそろ再受講しようと考えています。

 一秒でも早い手当が、目の前の尊い命を救います。大切な人を、家族を、そして命を守るため、救命講習を受講して知識と技術を学びましょう。