2015年 1月:地震による火災・自助と共助ー隣人とのつながりを大切にしましょうー

1月 地震による火災・自助と共助


隣人とのつながりを大切にしましょう
 

 こんにちは、災害対策室です。
 今回は阪神・淡路大震災の事例をもとに、火災・自助と共助についてのお話をします。
 
 今から20年前(1995年)の1月17日午前5時46分、兵庫県南部地震が発生しました。この地震による災害は「阪神・淡路大震災」と呼ばれ、淡路島北淡町野島断層を震源とするマグニチュード7.3の直下型地震が住民を襲い、淡路島、神戸市、西宮市、芦屋市などは震度7の烈しい揺れに見舞われ、死者6,434人という大惨事となりました。
 この時、建物の倒壊による被害の他に火災による被害が大きく、全体で7,000棟近い建物が焼失しました。地震当日の出火も多かったのですが、地震翌日以降の出火も少なくありませんでした。

 

 その際、阪神・淡路大震災の時には、地震発生直後の住民同士による助け合いによって消火活動や救助活動が行われ、多くの命が救われました。たとえば、倒壊した建物の下敷きになったり、建物・家具に閉じ込められた人のうち、約67%が自力で脱出あるいは家族に助けられたといい、約30%は友人、隣人や通行人に救助されたという調査結果があります。行政(市町村、消防、警察など)がおこなう「公助」だけではなく、自分や家族の身は自分で守る「自助」、地域住民同士が協力し助け合う「共助」、の重要性が認識された事例となりました。

 
調査:阪神淡路大震災で生き埋めになった人たちが、誰によって救出されたか?
出典:(社)日本火災学会
「兵庫県南部地震における火災に関する調査報告書」

 
 まずは「自分の安全は自分で守る」これが防災の基本です。自分の手で自分・家族・財産を助ける備えと行動を、「自助」と呼びます。最初に取り組める「自助」は、災害に備えることです。家具が倒れてこないよう固定したり、非常用持ち出し袋を備えたり、家族の間で災害が起こったときにどこを共通の避難場所にするかなどを話し合うなど、ちょっとした防災会議をしておくことも自助となります。
 いざ地震に遭い、揺れが収まったとき、目の前の火災に対して最も早く対応できるのは誰でしょう? けがをした家族の手当をできるのは? それは皆さん自身です。
 
 そして自分だけではどうにもできないとき、地域の防災機関(警察や消防など)の応援の到着が望めないときに力となるのが、近隣の皆さんです。隣・近所の住民が互いに助け合う「共助」により、救出活動も消火活動も早く始められ、そして多くの人が参加することにより被害を小さく抑えられます。
 人を助けるのは、人です。
 災害時に円滑に協力するためには、普段からの交流が大きな力になります。日頃から近隣の皆さんとのかかわりあいを大切にしたり、地域の防災訓練に参加することが、近隣の皆さんと協力して地域を守る備えとなり、共助につながります。

いざというときに協力して助け合える態勢と心構えを作っておくことが重要ですね。
 
次回は非常用寝袋・毛布の紹介をしたいと思います。