2016年11月:災害時に持ち出す貴重品について
こんにちは、災害対策室です。
災害の備えや持ち出すものなどをこれまでに紹介してきましたが、今回は貴重品の扱いについてのお話です。
災害時にやむを得ず、家を離れて避難所などで生活をすることになった場合、家に貴重品を置いたままだと「火事場泥棒に盗られてしまうのでは…」と不安が募り、大変ストレスになると思います。実際に、東日本大震災で原発事故が起こり、住民が着の身着のままで避難して、落ち着いたころに家に戻ったら窓ガラスが割られて何者かに家に侵入され、貴重品や家財を盗まれていたという事例が少なくありませんでした。
避難するときに持ち出したい貴重品は
■免許証やパスポートなど顔写真の付いた身分証明書
■残金がある口座の通帳やキャッシュカード、印鑑
■土地・建物などの重要書類関係
■10円玉や100円玉を入れた災害用貯金箱・財布
などです。
大規模災害時には、金融機関で通帳が無くても預金の引き出しができる措置が取られるケースがあります。それぞれの金融機関によって異なりますが、免許証やパスポートなどの身分証明書の提出が最低限必要になることが多いようです。原本が難しければ、コピーでもかまいません。
また、持ち出しリストの中に10円玉、100円玉が含まれているのは、非常時に公衆電話を使えるようにするためです。
これらの貴重品は、濡れても大丈夫なように、ファスナー付のビニールケースに入れておくとよいでしょう。
また、避難所などで生活を送る場合に備え、貴重品を入れるウエストポーチやポケット付のベストなどを用意して、肌身離さず持ち歩くようにするとよいでしょう。
中には家族との思い出の写真なども失いたくないという方もいると思います。その場合、写真をデジタルデータ化し、SDカードやUSBメモリに保存して持ち歩くか、クラウドサービスなどを使うと安心です。体に身につけておく必要のないものについては、デジタル化をして分散保存をしておくと、非常時に失うことがないため役に立ちます。日頃から備えておきましょう。
さて、貴重品について説明いたしましたが、あくまで避難時にすぐ持ち出せる場合のことです。津波や洪水などの一刻を争う災害の際はまず安全なところに速やかに逃げてください。何よりも失ってはならないものは命です。危機が迫っているときは決して取りに戻ったりせず、自分の命を守るため避難してください。